2016年4月30日土曜日

177:米国大統領の広島訪問

昨年の8月に松井一實広島市長の記者会見で質問する機会があった。
そこで私はふたつの質問をした。


・原爆投下に対し、米国に謝罪と賠償を正式に求めたことはあるのか。
これに対する回答は、当時からそのような議論はあったが、正式に表明したことはない、というものだった。


・謝罪を要求しなかった背景は何か。
回答は、パワーポイントによって、あの有名な石碑の画像を映しながら答えられた。
「安らかに眠って下さい。過ちは二度と繰返しませぬから。」


このことは、人類史上はじめてといっても過言ではない戦争犯罪に対する対応ではなかろうか。
本質は、被害者と加害者という立場に長く囚われることを超える、新たな視点で問題解決を行った、ということである。




現オバマ大統領期の前駐日米国大使ルース氏が、米国代表としてはじめて広島を訪れ、また最近ではケネディ大使も訪問を行った。そして、現役のケリー国務長官も広島を訪れた。
外交上どのような会話があったかはわからないが、70年近くかけて米国がこのような対応に踏み切ったことを被害者である広島市民は評価しているに違いない。


この延長線上で、オバマ大統領が広島を訪問する際に、マスメディアは、大統領が謝罪をするのかしないのか、という不毛な議論をするのはぜひ避けてもらいたい。