2014年8月28日木曜日

48:沖縄の負担をどう減らすか

本年3月19日付の私のブログ「沖縄の問題をどうするの?」について、また言及します。


ご存知のように、日本に存在する米軍基地の75%が沖縄に集中しています。沖縄県民にとって、このことが日本人として不公平ではないかと不満を持つことは当たり前でしょう。また本土の我々が、この問題を根本的に解決する努力を怠ってきたことは否めない事実です。


しかしながら、日本の国防にとって、日米安全保障条約の存在は不可欠であり、いくら日本が軍事拡張をしても、単独では国を守れないのは、自明のことです。


その結果、普天間基地の移設をはじめ、年内には日米間で抜本的な見直しが行われると報道されています。


ただし、日米安保条約の見直しと、沖縄の負担軽減は次元の違う問題として、個別に解決することが現実的ではないかと思うのです。沖縄県民と政府の軋轢は国内問題であって、安保条約の見直しには直接関連性がないと米国側は考えるのではないでしょうか。


無論、この問題が単純に分解することで解決するとは思いませんが、日本の国内問題として扱うならばよく言われるように、沖縄の負担軽減をする方法を複数策定して、最適な方法を順次実施するということになるでしょう。


そこで、素人考えとして、技術的なハードルはあるにしても、沖縄県に対しては今後消費税の導入をしないという案も選択肢の一つになるのではないかと思うのです。その目的は、

・戦後70年に及ぶ沖縄県人の苦労に報いる。

・沖縄経済の活性化につなげる。

・同盟軍である米国に対する悪い感情を和らげ、更なる友好関係を促進する。

などが考えられるのではないでしょうか。


全く素人考えではありますが、その実現可能性について研究をされたらいかがかと思います。このような提案は、自分が選出した代議士に対してなされ、検討されたうえで議員立法として展開することが本来の民主主義のあり方だと思うのですが。

2014年8月21日木曜日

47:人間らしく生きる条件

日本全体が、人生の「目的」や「生きがい」を探したり、あるいは「幸せ」を求めたりするために、フォーラムに出席したり、サークルに参加したりして、模索している状況が続いているようです。


このことは、十分な成果を出していると思います。相互のコミュニケーションが促進されたり、相手に対する思いやりが生まれたり、他人の苦しみが理解できたりなどが成果でしょう。


それらを踏まえて次のステップをどうするかが、今問われているのではないでしょうか。そこで、必要なことは、「行動を起こすこと」です。それは、自身のスキルの向上であったり、見聞を広めることであったり、または社会奉仕であったり、さまざまな行動が考えられます。それらの中から自分で選択をするのですが、その行動を成功に導くためにどのような発想をしたらよいでしょうか。


ここで述べる発想の原点は、私の中学時代の恩師である米国人教師が話したことです。そのタイトルは「人間が最も人間らしく生きるための5つの条件」でした。それを皆さんにご披露します。


1.目的(Purpose)
どんな行動でも「何を目的にするか」ということを明確にする必要があります。そこで、初めてどのように行動していくかの計画が作れるのではないでしょうか。

2.見通し(Perspective)
その計画が自分にとって現実的であるかどうかの見極めをすること。現実的でなければハードルを下げることも必要でしょう。

3.成長の確認(Increasing Skill)
自分の行動が目的に向かって進歩しているかどうかの確認が必要になります。

4.歓び(Joy)
この歓びはHappinessとは若干ニュアンスが違います。それは自分の努力によって勝ち得た時の歓びです。ですから、苦しい中にも歓びがあるという気持ちを持つことが大切なのでしょう。それは、最終的な目的があるから乗り越えられるのです。

5.帰属本能(Sense of Belonging)
色々な活動の中で仲間ができるはずです。それは集団になります。その集団の一員であるという自覚が仲間の信頼を得ることにつながるのでしょうか。


これらの5条件の中で、最も重要なのが行動を起こす場合のその目的が何であるかを具体的に見極めることではないでしょうか。この目的があれば、迷いが生じた時に軌道修正をすることが可能になるからです。

2014年8月14日木曜日

46:論理(筋が通る議論)、感性(物事を深く心に感じ取る働き)、行動(とにかくやってみる)

最もユニークな企業として世界で活躍しているホンダの話をしようかと思います。


ホンダが、日本の自動車メーカーとして米国に一号工場を建設したことはよく知られています。
当時私はコンサルタントとしてこの重要なテーマに参加しました。
熱海にあった「デシジョン・ルーム」というところで、河島喜好二代目社長(故人)以下、全役員の参加した五日間の合宿研修でした。


爾来、ホンダには大変お世話になり、私が展開していた論理的な思考様式を全社の社風の一部とされました。創業者の本田宗一郎翁は、常々「論理なきところ、行動なし」と言われ、ものを決める場合の論理性・合理性を重要視されていました。
そして、ホンダグループ全体の社風・文化が、「ラショナル(論理的・合理的)」になり、このことがその当時の週刊文春に取り上げられたこともありました。


また、ホンダのもう一つの側面が、論理に全く関係のない、人間の感性に関するものであると思います。


晩年の本田翁の秘書を務めたある人物がいます。
彼によれば、本田翁が散歩をするときなど、よくお供をしたそうです。
あるとき、道端に美しい小さな草花が咲いていたのを本田翁が見つけました。
普通であれば、そのまま通り過ぎるでしょうが、彼は「こんな綺麗な花は見たことがない!」と大感激し、しばらく立ったまま観察していたところ、やおら地面に横たわり、至近距離から花をご覧になった、ということでした。

本多翁をはじめ、ホンダの役員の方は、この感性を磨くために、「一流のものに常に接することが必要です」と、言われてきました。だから、世界のオーケストラの演奏の鑑賞や、世界の名画に接するといったことを、日常茶飯事にされていたようです。


感動があるから行動があり、その行動が論理的でなければ、成功はおぼつかない。例の秘書はこのように感じたとのことでした。


ちなみに、本田翁のお別れの会は青山の本社で行われ、飾られていた花は全てコスモスでありました。
ご挨拶に立たれていた喪主は、ご夫人ひとりでありました。
ここにも、あの偉大なホンダを創設した人物の人間性の一面を見たように思い、私もまた「感動」したのでした。

2014年8月7日木曜日

45:就活とディスカッション

聞くところによると、就活時の企業による審査の過程では、少人数でのグループディスカッションが行われ、参加者がどのような発言をするかなどを企業側が見るということが多いようです。


例えば、「当社の新しい事業を考えなさい」というテーマが提示されたとしましょう。
アプローチとしては、ブレストで出来るだけ多くのアイデアを抽出して、それを集約する方法もあるでしょう。


しかし、これでは不十分なのです。
なぜか? それは、このディスカッションの進め方について、参加者の合意が得られていないことが問題なのです。
出発点から結論に行く筋道が合意されていなければ、重点思考の議論ができず、話が拡散してしまいます。そして声の大きい人がエイヤで結論を出すことになるでしょう。


そこで重要なことはどうすれば自分のリーダーシップを発揮できるかです。


第一は、どのような流れで議論をするかということを皆さんで同意しましょうという発言をすること。例えば、新しい事業が満たすべき条件を5項目くらい協同で挙げていく。新規性がある、マーケット規模が大きい、高利益率が確保できる、当社の経営資源が活用できる、立ち上げ資金が少なくて済むなど。


第二は、これらの条件を満たすような事業をブレストでできるだけ多く挙げる。


第三は、挙げられた事業アイデアを複数案ごとにグループ化してみる。


第四は、それらの中でどれが一番有利であるかを判断する。


第五は、もしその案を実施した場合のリスクを評価し、対策があるかどうかを検討する。


ディスカッションの場面であれば、上記のように、どのようなプロセスで話を進めるかを構築し、グループに提案することがリーダーシップの側面であると思います。要は、就活のディスカッションの場では、素早く結論に至るプロセスを考えることこそ、評価されるポイントではないでしょうか。