2014年7月24日木曜日

43:言論の自由の有難さ

先日6月11日の「ジャパン・タイムズ」に、「ニューヨーク・タイムズ」の記者Ted Rallの記事が掲載されました。


テーマは、「米国兵士はもっと戦線離脱したらどうだ?」であり、2009年6月、アフガニスタンでBowe Bergdahl曹長が水とノートと筆記用具をバックパックに入れ、全ての装備を残したまま戦線からwalked away=立ち去った、という事例を紹介しています。


また、この記事は、アメリカの湾岸戦争を真っ向から批判する内容でもあります。
また、朝鮮・ベトナム・イラクなど、1945年以降の米軍の対外進攻の中で、下院で承認されたものは一つとしてなく、全て「違法」なものであるとしています。
さらに、各戦争における、民間人を巻き込んだ不幸な事故等も「それが承知の上で行われたものだ」とまで書いています。


アメリカの大メディアである「ニューヨーク・タイムズ」の記者がこのような記事を「ジャパン・タイムズ」に掲載したということ、これ自体私には大きな驚きでした。
言論の自由を尊重するアメリカの健全さがここに伺えたような気持ちがしました。


健全さとはつまり、事実を臆せず発信していくというメディアの役割を十分に果たしている、ということです。


ここでは、記事がいかに政府の政策に反することであっても、事実を、主体性を持って国民に知らせるという義務が果たされています。


悲しいことですが、一方で我が国のマスメディアの実態はどうか、と考えざるを得ません。


我が国には、太平洋戦争を推進するため、メディアが強力に政府の後押しを行った、という過去があります。
もちろんその内容においては異なりますが、本質的なところでこの様式が保たれているのではないか?
現在でも事実を抑圧しがちな体質である日本メディアを見て、私はこのように大いに不安になるのです。

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