2016年12月7日水曜日

230:北方4島返還に関する素朴な疑問

北方領土の返還は、国家の主権が問われる大問題である。
この主権がおびやかされる状況に対しては、断固たる姿勢で臨む必要があることはいうまでもない。

この大前提を踏まえたうえで、私が日ごろ素朴に疑問に思うのは、国後・択捉島に既に居住しているロシア人住民の扱いをどうするかという点に関する議論がほとんど聞かれない、ということだ。

例えばいったん実現性を度外視すれば、いくつかの対応策が考えられる。
・返還後に日本領となるのであれば、ロシア人住民に日本国籍を与える。
・返還後、すべてのロシア人住民がロシアに帰国する。
・あるいは折衷的に、住民が自身で国籍などの進退を決める、など。
素人が書くとこれくらいの発想しかでてこないが、とはいえ様々な施策が想定されることは確かだろう。

どのような対応を考えるにしろ、その結果(Consequence)がもたらす様々な状況に現実的な対策があるかどうか、ということに関しての議論は避けて通れない。
無論、永田町や霞が関では検討がなされているとは思うが、その内容をそろそろ国民に開示していただきたい。
なぜならば、どのような対応策を採るにしろ、そのためのコストは必ず、我々日本人に降りかかってくるからだ。

最後に安全保障という面に触れれば、ロシアが軍事基地を建設しているという事実に対して、我が国も対抗し、北海道に対ロシアの防衛線をつくるという愚策だけは避けたいものだ。
自国の安全保障の強化に限界があるという意識を持ち、無意味な軍拡競争に陥ることだけはしない、という姿勢を表すことこそが日本の国益にもつながると思うが、どうだろうか。

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