2014年3月18日火曜日

15:平和ってなに?

我が安倍総理は世界に向けて「積極的平和主義」を発信しています。いろいろと調べてみましたがこれに当てはまる英訳はどうやらないようです。
外国に発信する総理のメッセージが適切に伝わらない理由は日本語そのものの概念が確立されていないのが原因ではないでしょうか。
そもそも「平和主義」という日本語自体が日本的で世界に通用しない言葉なのかもしれません。なぜかというと、「平和主義」という英語そのものが存在しないからではないでしょうか。


一般には「戦争のない状態」、『広辞苑』(第五版)では①「やすらかにやわらぐこと。おだやかで変りのないこと。」②「戦争がなくて世が安穏であること。」となります。
しかし、厄介なことには、あるヨーロッパの経営者はビジネスを「平和時における戦争の形態(''Peace time form of war'')」と表現しました。
人間は厄介な存在であって、競争心・闘争心を持っています。これを考慮に入れることなしに平和の定義をすることは難しいのではないでしょうか。


私なりの定義は、次のようになります。「紛争や対立が人命や財産に対する脅威なくマネージされている状態」。したがって、平和とは一種の緊張状態の連続と言えると思うのです。紛争・戦争が平和的に解決され、その状態が簡単に続くというような考えは幻想と言ったら言い過ぎでしょうか。
9条見直し・9条改定論が盛んな昨今ですが、平和を上のように考えれば、単に9条を持ち上げるだけでなく、「紛争を軍事的でなく平和的に解決するにはどのような方法論が必要なのだろう?」というような中身のある議論が出てこなくてはならないでしょう。


普段なんとなく使われてしまう言葉でも、一度立ち止まって、定義をきちんと考え、その言葉について丁寧に考え直すことが重要なのではないでしょうか。

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