2014年3月2日日曜日

13:東京電力に脱帽

1979年の大事故、米国スリーマイル島原発事故よりも人災的要素の多い福島第一原発事故は、日本人のリスクに対する発想の甘さを披露してしまいました。
その背景のひとつに、日本人固有の完全主義がマイナスに働いてしまったと思うのです。日本のエンジニア諸氏から批判をされることを覚悟で申し上げますが、これにはエンジニアの驕りが影響していると考えます。
エンジニアが複雑で高度な装置を建設するときには、まず完全な設計をします。そして、生産技術を高度なものにします。装置の建設も間違いのないものにします。そして試運転等をし、完成させます。そしてお偉いさんを呼んで豪華な式典をして顧客に引き渡して、そこでようやくおしまいです。
ところが、ここで彼はエンジニアとして耐えられない質問をしなければならないのです。それは自己矛盾になる質問であるので、日本人の多くは誰もしません。その質問とは、''What could go wrong?((完全を期して製造したけれども、)将来起こりうる潜在的な問題点を想定するとどうなるか?)''であります。リスクを起こりうる具体的な現象として想定すること、これを意識して考えたいものです。それによって、実際に問題が生じたときに予め設定された対策を打つことができ、影響の最小化が可能になるのです。


ところで、東京電力に脱帽。
今回の四十数年ぶりの都心の大雪で東京23区内で停電があったというニュースは皆無でした。仮にこのマグニチュードの気象現象が他国の大都市で起きたとしたら、大きな停電騒ぎになったのではないかと想定されます。この意味では、都民は東京電力の日頃の努力を評価しても良いのではないでしょうか。

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