2016年11月19日土曜日

227:電通の長時間労働問題

ここ十数年、企業の不祥事が起きたとき、判で押したように経営陣がマスメディアの前で謝罪し、90°の角度でおじぎをする場面がよく見られる。
これは、日本特有の現象であるといっても過言ではない。

海外では不祥事に際して、マスメディアに対して多くの経営者が画一的に謝罪的な対応をするということは見られない。
この謝罪場面は、諸外国の人々に奇異な印象を与えると同時に、企業の経営トップの威信などを失わせることにもなるだろう。

ところで、電通の若い社員が、自ら命を絶つという悲しい事件が起き、同社の社員への過度な勤務時間外労働が問題になり、日本社会に大きな影響を与えている。
企業の社会的責任が問われるなか、雇用者である電通が、社会に対して正式なコメントを出していないということを、どのように考えたらよいのか。

検察の家宅捜査が入っているのに経営陣が迅速な対応をしていないことは、いかがなものだろう。
捜査がひと段落した時点で、なんらかの対応を期待したい。

米国でトヨタ自動車の不祥事に、豊田章男社長自ら対応したような例もある。
画一的な謝罪を求めたいわけではない。
とはいえ、影響力のある大きな企業だからといって、知らん顔を通してもよい、ということにはならないのではないだろうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿