2017年2月17日金曜日

240:日本国憲法の無改正

ある会合で、駒澤大学名誉教授西修氏の憲法改正についての話を聞く機会があった。
西教授の話の中で興味深かったことのひとつは、さまざまな国の憲法制定年と、その後の憲法改正の回数をまとめた資料であった。
これに基づき、いくつか簡単に例を挙げたい。

・アメリカ:1787年制定。1992年までに18回改正、27か条の追補。
・オーストラリア:1901年制定。1977年5月までに8回改正。
・ドイツ:1949年制定。2015年1月までに60回改正(のべ201か条)。
・中華民国:1947年制定。2005年6月までに7回改正(うち1回は無効判決)。
・ノルウェー:1814年制定。改正は頻繁(400回以上とも。近年2014年に「大改正」)。

これらに対して、日本国憲法は、1946年制定以来、無改正で現在まで続いている。
日本での憲法改正の議論に慣れていると、海外での改正の多さに驚くのである。

西氏によると、戦後当時GHQ民生局でオリジナル・ドラフトを起草した8人と1984~85年の間に面談をしたところ、「まだあの憲法を使っているのか? 1か条も変えていないなんて!」とあきれられたという。

憲法改正反対論者の主義主張はさておき、世界情勢が激変する中で、憲法が無改正であり続けているという事態を直視する必要があるだろう。
憲法制定にどのような経緯があったにせよ、日本人が主体的に、自身で改正する必然を認めざるを得ない。
現在の憲法が普遍的なものとは言えず、これをそのままのかたちで無理に継続しようとすることは非現実的である。

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