2017年2月4日土曜日

238:新しい日米安全保障条約の意味

日米安全保障条約は、1951年9月8日に調印され、翌年4月28日から効力を持つことになった条約である。
この調印日は、サンフランシスコ平和条約が締結され、日本が国際社会に復帰した日でもある。
安保条約に関しては、歴史的に「防衛費タダ乗り」論といった批判を内外から受けてきた。
確かに、米国の「核の傘」のもとで我が国の安全が保障されてきたことはまぎれもない事実であろう。

このように日本の戦後処理に際して寛大であった米国は、それ故に、中国からいまだに非難されている。
背景のひとつとして、日本が戦争賠償金を中国に支払っていないという事実もあるだろう。
蒋介石が賠償支払いの必要性を論じなかったこともあって日本が中国に賠償を支払わなかったことは、現在日本ではあまり話題にならないが、重要な事実としてあったことである。
また同様に米国も日本に戦争賠償を要求しなかった。

さて、昨今の中国の台頭という現実に対して、日米安保体制の本質や目的もかなり変わってきているという実態を認識する必要があるのではないだろうか。
安保体制は日本の安全を守るためにのみ存在した条約であったが、今日では、アジア地区全体の安定と安全保障を担う条約にその意義が変化しつつあることの認識を持ちたい。
日米安保体制の本質の拡大がアジア全体の安定に及ぶのだ、という認識を日米両国はもとより、アジア諸国が共有する必要があるのではないだろうか。

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