2017年4月5日水曜日

249:頭の痛くなる話

日本人に限らず、人間の考え方は、ある問題や現象が起きると、結論や解決策に短絡する傾向がある。

・営業マンの成績が悪くなった。
→営業教育をしろ。
・ある組織の成績が悪くなった。
→組織改革をしろ。
・改善をしなければならない。
→同業他社を見習え。
・一部地域で不良品が報告された。
→全品回収。

他にもさまざまな例があるだろうが、どうしてもある現象に対して、結論に短絡する傾向があることを自覚したい。
これは個人にとっても組織にとっても社会にとってもコストの増大につながる。
なぜならば、短絡した結論や解決策が適切なものでなければ、さらに別の対策を打つことに、あるいは最悪の場合は別の対策を打ち続けることになってしまうからである。

東京で問題になっている豊洲市場の問題も、短絡的思考が招いた国家的ロスと思う。
これは、いくら継続して論議をしても、結論が出るものではないことを知るべきだ。
この問題に対しての私なりの回答は、簡潔なものである。
築地と豊洲のふたつの候補地のうち、耐震の状態など、現実的に考えれば豊洲を使うほかないだろう。
であれば、責任者が「豊洲にする」と政治的判断をし、その上で、豊洲に移転した場合の重大領域を複数明確にし、それらの領域に起こり得る諸問題点(計画からのズレ、突発的な現象、費用の増大など)を想定し、諸対策および費用の策定をするというプロセスを構築することが最も合理的なアプローチでないだろうか。
要は、関係者が経験に基づき、個別の問題点を主張するのではなく、あるプロセスを決めて、重点的に作業をすることが税金の無駄遣いを防ぐことにつながる。
意思決定のコストを、これ以上拡大してはならない。

0 件のコメント:

コメントを投稿