2017年4月1日土曜日

248:あなたは論理的に考えていますか? その2

状況
医療関連の情報システムを開発しているA社は、大口顧客から「発注した大型プロジェクトの工期を6ヶ月短縮してほしい」旨の要請を受けた。
A社では、この要請に応えるべく、設計、営業、システム等の関連部署が会議を重ね、新しい日程が設定された。現在、関係者が集まって、この日程について詳しく検討する会議が開催されている。
責任者としてなすべき最も適切な指示を下記の中から選びなさい。

考えられる諸指示 A. 想定できるリスクをすべて洗い出し、あらゆる対策を講ずるよう各部に指示する。
B. 期限に間に合うようなスケジュールを作成できるように各部に指示する。
C. このプロジェクトに重大な影響を与えるところを確認するよう各部に指示する。
D. ブレインストーミングを定期的に行い、起こり得る問題点を明確にし、対策を講じる。

解説
リスク対応とは何かといえば、PとSのパラメータを睨みながら、リスクの顕在化(起こり得る問題現象)に際し、その影響を最小限に食い止める対策を講じることである。Pとは、Probability=発生確率、SとはSeriousness=重要度である。

A.は、リスクの重要度Sが考慮できていない。全リスクを洗い出してそれらに対策を講じることは経営資源のムダ遣いである。どのリスクが本件において重要なのかを意識すべきである。従ってAは正解ではない。
B.は単にプロジェクトの期限に間に合わせるためのスケジュールの作成を指示しているだけで、「工期を短縮することによるリスクの分析」という重要なポイントを外している。よってBも正解ではない。
C.は、工期を短縮することにより発生し得るリスクに対して経営資源を重点的に投入すべき領域を確認するよう指示を出している。よって、正解である。
D.は、ブレインストーミングの目的が不明確なため、その結果、討議が散漫になる可能性が高く、またSが考慮されておらず適切な指示とはいえない。

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