2017年11月11日土曜日

287:意思決定の盲点

潔癖さをつい目指しがちである日本人が、意思決定に際して陥りがちな盲点がある。
日本人は、時間をかけて論点を洗い出し、合意形成としての意思決定を行うことが多いであろうし、このこと自体は悪いことではない(結論に至る思考工程が論理的で効率的であるかは別として)。

しかしこのとき、関係者一同は、最終的な結論に十分満足し、実施段階において成功裏に所定の成果が出ることを疑わない。

つまり盲点は、この結論案を実行した場合に、何か不備なことが起こるかもしれないという可能性に対する思考が停止していることである。
全力を投球し、最適な結論を出すことができたという自負があるために、"What could go wrong?"という問いが抜けてしまう。
あるいは、そのように問うこと自体を自己矛盾であり、悪いことだと考える潔癖さがあるために、思考停止を招いてしまう。

日本の先達は、ものごとを決める際、「後先のことをよく考えて決めろ」などと言ったようだ。
これは、ある判断をするときに、その判断が将来引き起こすかもしれない問題点を考慮して最終判断をしろ、という教訓であるように思う。
これは英語で言う"Consequence"の概念でもある。

Consequence
that which follows from any act, causes, principle, or series of actions. a logical result; an event or effect produced by some preceding act or cause; result. logical result or conclusion; inferences; dedution.

あらゆる行動や原因、原則に、あるいは一連の行動に続くもの。論理的な帰結。先行する行動や原因から生じる出来事や効果。論理的な結果、あるいは結論。推論、推論による結果。

日本の国際競争力を考えるときに、この"Consequence"という概念を認識することが非常に必要であると思う。

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