2018年2月7日水曜日

297:オーヴァープランニングは経営資源の無駄遣い

医療関連の情報システムを開発しているA社は、大口顧客から、発注した大型プロジェクトの工期を6か月短縮してほしい旨の要請を受けた。
A社では、この要請に応えるべく、設計、生産管理、営業、システムなどの関連部署が会議を重ね、新しい日程が設定された。
現在、関係者が集まって、この日程について詳しく検討する会議が開かれている。
営業部長としてなすべき最も適切な指示を下記の中から選びなさい。

A. 想定できるリスクをすべて洗い出し、あらゆる対策を講じるよう各部に指示する。
B. 期限に間に合うようなスケジュールを作成できるように各部に指示する。
C. このプロジェクトに大きな影響を与えるところを確認するよう各部に指示する。
D. ブレインストーミングを定期的に行い、起こり得る問題点を明確にし、対策を講じる。

解説
何かを変更する際には不随するリスクに対応しなければならない。
そこで、リスク対応とは何かといえば、PとSのパラメータを睨みながら、その影響を最小限に食い止める対策を講じることである。PとはProbability=発生確率、SとはSeriousness=重要度である。

A. リスクの重要度Sが考慮できていない。
全リスクを洗い出してそれらに対策を講じることは経営資源の無駄遣いである。
どのリスクが本件において重要なのかを意識しなければならない。よって誤り。

B. 単にプロジェクトの期限に間に合わせるためのスケジュール作成を指示しているだけで、「工期を短縮することによるリスクの分析」という重要なポイントを外している。よってこれも正解ではない。

C. 工期を短縮することで生じうるリスクについて経営資源を投下すべきところ、つまり重要なところを確認するように指示を出している。
即ち重要度を対策のベースにしており、正解である。

D. ブレインストーミングの目的が不明確なため、その結果が散漫になる可能性が高く、またSが考慮されておらず適切な指示とは言えない。

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