2018年2月23日金曜日

300:よい意思決定は正確な状況の把握から

国家予算の件について書いたが、関連して意思決定とについて書きたい。

国家の政策が順調に進まない場合、一般的にはさらに補正的に予算をつける場合が多い。
私の経験談で恐縮だが、マレーシア政府の英語教育の強化に関してコンサルティングをしたことがある。
国家予算をつかってどのようなカリキュラムを組むか、英語教師の強化教育をどうするか、英語ネイティヴ教師の採用をどうするか、などといったテーマの検討が行われていた。
しかしこの議論の延長では、費用が限りなく膨らんでしまいかねないと思い、ある簡単な事例を紹介した。

その事例とは、書類が詰まった4段のファイルキャビネットを隣の部屋に移動する必要がある、という状況である。

書類が大量に入っているため、どうやら人手での移動は不可能である。
そこで考えられることとして、キャビネットの重さを測る、移動計画書を策定する、移動するための方法を選ぶ、さらにその延長線上では移動するためのクレーンを設置する……といった途方もない案まで次々に考案されるかもしれない。
結果、総経費〇〇億円の決済を……ということになってしまう。

しかし当然のことながら、知恵者はキャビネットの引き出しを引いてそれぞれ移動させるということを思いつくだろう。
この例は大げさかもしれないが、しかし現実にもこれに近いことが行われているようにも思う
大きな問題を処理しやすい部分に分解し、個々に処理することが、良い意志決定につながるのである。

0 件のコメント:

コメントを投稿