2014年2月14日金曜日

7:政治と優先順位

今日は直近の話題から、「優先順位とはなにか」ということについてみなさんと考えてみたいと思います。
この話をすると長くなる危険がありますが……今回はひとつだけ、日本人の発想の背景にある、あまり意識されていない特徴について考えてみたいのです。


日本語の特徴から考えてみましょう。
日本語は、いくつかの例外こそあれ、単数・複数の違いがありません。ほぼ単一民族・単一言語の日本において、これまでそれらを分ける必要はなく、それらは文脈から想像されてきました。
外国語(英語・フランス語・ドイツ語など)は単数・複数を分けています。

この、単複を分けていない日本語の考え方が、日本人の判断の効率や制度に悪影響を及ぼしている場合が出ているように思うのです。

日本の外交スタンスで問題視されていることのひとつが、我が国の総理の靖国参拝問題です。
報道を見ると、あの参拝がいかに外交に対して日本の判断の甘いか、という点で批判されているようです。
しかし、他にも問題はあるのではないでしょうか。私の考えでは、総理大臣として抱えている案件に対しての優先順位の判断が偏っていたのです。

この「優先順位」の定義も日本では非常にあいまいです。
本来は「複数ある」案件の中から他に先駆けて行動を起こす、これが優先順位なのです。(この「複数ある」というという意識が、先に挙げた特徴を持つ日本語を使う我々には生じにくいのです。)

優先順位を判断する基準は主に2つ、場合によっては3つあります。

①案件の重要度 起業で言えばそれが1000万の案件か1億の案件か、ということ
②緊急度 その案件に期日・デッドラインがあるのかどうか、ということ

優先順位とはこの2つによって決めるのです。(ちなみに3つ目は「拡大傾向」。放っておくとその問題が拡大するのか、消滅するのか、ということです。これは「期日を過ぎると大きな問題になる」というようなものも考えると、②緊急度との関連のある概念でしょう。)

通常なされている判断においての落とし穴は、「『緊急度』で優先順位をつける」ということにあります。緊急の案件から手を付けて、「重要度」の高い案件が先送りにされるということです。これはこれで多くの問題点があります。
しかし靖国問題に関して言えば、日本人にとって重要な(「重要度」の高い)問題であることは間違いないでしょう。一方、国家の問題として総理大臣が今なさねばならない、という「緊急度」が高かったかどうかには疑問がある。私は靖国参拝問題を、このように考えています。

みなさんは、いかが考えますか?








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