2014年2月14日金曜日

8:アメリカの知られていない価値観


2月4日から6日にかけて開催されたNational Prayer Breakfast(全米早朝祈祷会)という行事に米国会員の準備委員長から招待を受け、参加してきました。
なにか宗教くさい、もっと言えばキリスト教くさい集会と思って行ったところ、ウガンダの閣僚やケニアの元大統領、コソボの駐日大使などを含む、なんと全世界140か国より3700人におよぶ参加者 が集っていました。
600名が外国からの要人であり(国会の会期中ということもあり、残念ながら日本からの代議士の参加はありませんでした)、残りの3100名は全米各地より州議会の代表をはじめ商工会議所会頭など多くの一般市民が参加していました。
年に1回、2月に開催され、今回は62回目の会でありました。
そもそもの趣旨は、宗教・民族を超えて「和解」と「平和」について米上・下院議員が集って話し合いを持ち、祈りを捧げることからはじまったようです。当初は40名ほどしかいなかったこの会ですが、いまではこのような大きな広がりを持ったものとなっています。
会場はワシントンヒルトンの二つの宴会場で、二日目の朝食にはオバマ大統領夫妻やバイデン副大統領も参加し、大統領は非常に感動的なスピーチを行いました。
内容は、第一に、宗教の自由を侵害してはいけないこと。そしてどの宗教であれ、「祈る」ことの重要性を説きました。
ここでアメリカの普段あまり外に出てこない(軍事・経済などとはまた別の)強さを見たように思います。
ご存知のかたも多いと思いますが、アメリカは一神教のキリスト教、プロテスタントの教義を中心として建国されました。紙幣や硬貨には''IN GOD WE TRUST''と刻まれています。また、裁判所の裁判官の背後の壁にも同じ言葉が書かれています。個人的には「これはいつになったら消えるのだろう」かと思っていました。アメリカは多宗教・多民族の国家となって久しいからです。
しかしこのワシントンの会議に出て、建国のキリスト教精神を消すことなく、多くの他の宗教を包むような国づくりを進めていったのだと思いました。
オバマ大統領がフルに参加した集会は一回でしたが、文科会などを含むと八回の会合が持たれ、シリアの要人がイスラエルの閣僚とにこやかに抱擁するなど、対立する民族が随所で和解する仕草が見られました。
この状況を見て私は心底圧倒され、対立する国家の間であっても、個人のレベルでどの程度和解が出来たかはさておいて、このような情景を見たことは感動ですらありました。


日本でも神仏を大切にし、祖先を敬う深い宗教心があったことを思い出さざるを得ません。人間の知識をはるかに超越した存在があることを認識すれば、日本人も少しは謙虚になり自信を持つのではないかと思うのです。

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