2014年9月24日水曜日

53:「外交」ってなに?



私たちの多くは(無意識のうちにであれ)この国の安全保障のことを少しは考えていることかと思います。




生命・財産に対する脅威から自分たちを守る安全保障の方法として、(抑止力としての)軍事力と外交活動があります。
私は個人的には、この二つでは世界の安定が守られない時代が来ているのではないか、と考えています。


私の考える「第三の道」、については今回は触れません。現在構想を練っているところです。






今回は2者のうちの片方、「外交」について書きたいと思います。
以前も述べた、西郷隆盛の遺訓(南洲翁遺訓)を取り上げ、また別の角度から考えてみます。




十七条には次のようなことが書いてあります。




「正道を踏み國を以て斃るゝの精神無くば、外國交際は全かる可からず。彼の強大に畏縮し、圓滑を主として、曲げて彼の意に順從する時は、輕侮を招き、好親却て破れ、終に彼の制を受るに至らん。」




彼の言う「正道」を、私は「正義に基づいた行動」と解釈しています。
しかし、ここで難しいのは「それは誰の正義なのか?」ということで、これは私には
答えるのがとても難しい問いです。




あえて言えば、「世界の万人が認める良識で、かつ理性的な根拠に基づいたもの」つまりグローバルなものだ、と私は思います。






さて、これを踏まえてこの西郷の遺訓を現代風に書き直せば、


「グローバルに認められる正義に基づいて国として全力を尽くさなければ、「本来の」外交は成功しない。相手の強大さに怖気づき、角が立つのを恐れて自分の主張を変えてまで相手の言いなりになることは、軽蔑を誘い、結果的に友好関係はなくなり、従属関係に陥ることになる。」


と出来るでしょう。


「外交では票が集まらない」などという発想などではいけません。




強い外交力を持つためには、我々ひとりひとりが世界社会における一員として、「正道」を意識しながら、日本の向かうべき方向を考え、論じることが必要不可欠だと私は考えます。


もちろん、ただ意地を張っていればいい、ケンカを売ればいいということではないのです。
「理性に基づく緊張関係」。これこそが外交の要なのです。





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