2015年11月11日水曜日

149:中3に英語全国テスト

少し昔の記事ではあるが、2015年6月6日の産経新聞によると、文科省は31年度から、読む・聞く・書く・話すの四技能の習得度を確認するため、国際標準規格CEFRを用いた英語の新テストを導入する予定であるらしい。
ヨーロッパで開発されたCEFRをどのようにして日本の中学生の英語検定に用いるのかはよくわからない。


ただ、日本人の文化的背景を考えると、この「読む」「聞く」「書く」「話す」の四つを、同じウエイトで扱うということに疑問を持つ。
特に「聞く」ことについて考えてみれば、一方的に聞いて理解する能力が必要とされる場面は、古今東西を問わずラジオ放送くらいのものだ。
従って、「聞く」と「話す」を同列に考えていること自体、問題があるのではないか。





また翻って、英語における話す能力は、書く能力に直結していると言っても過言ではない。
ここで誤解してほしくないことは、以前の内容と重複するかもしれないが、自分で書いた文章が不完全であっても、その文章を読んで発信することが、「話す」コミュニケーションとしての、英語教育の重要なポイントであるということだ。




私自身、若いころに、英語によるコミュニケーション能力を向上させるために、ある設定したテーマに対し、かなり高度な英文を書き、それを声に出して読む練習をしたことがある。
くどいようだが、教科書的例文(他人が書いたもの)を丸暗記する方法もあるが、自分が書いたものを自分で覚えてみることの重要性も認識したい。


このことが、以前にも触れたハーバード大のフォーレー学長が言う、説得ある文章力と説得あるスピーキングにつながる。
格調ある英文であるのに越したことはないが、説得ある(Persuasive)ことが重要であり、流暢さだけが必要なわけではないことは肝に銘じたい。
説得あるということは、必ずしも文法的に正確な文章を話すということを意味しないと考える。


中3の英語全国テストに話を戻そう。
上に挙げたようなことから考えて、西欧文化圏における語学能力の検定制度をそのまま我が国に適応することには、慎重を期するべきではないだろうか、と考える。

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