2015年11月14日土曜日

150:パブリック・スピーキング

日本において、教育改革の必要性が盛んに言われている。
この論議の中でぜひ加えていただきたい領域が「パブリック・スピーキング」である。
日本人が国際舞台で、発信をできない背景には、我が国の教育の中にパブリック・スピーキングという科目がないことも、そのひとつにあるのではないかと思う。


ちなみに、ハーバード大ではSPCH-100として、“Fundamentals of Public Speaking”というコースがあるようだ。
目的は、聴衆の注目を集め、持続させるための、内容と伝達スキルを身に付けるということだ。
またインディアナ大ではCMCL-C 121 “Public Speaking”、スタンフォード大でも同様にENGR “Public Speaking”という科目があるようである。






先進国間における日本のサイレンスが問題であった時代ではもうない。
途上国のリーダーが国際会議でパブリック・スピーチを堂々とする様を見ると、日本の発信力の弱さの原因を考えてしまう。
国際舞台で活躍する人物がすべて留学などによる海外経験者である必要はない。
しかし、このパブリック・スピーキングというという領域を、公衆に向けて意見を堂々と主張するという文化のない日本において、確立することが急務ではないかと思う。


パブリック・スピーキングの本質は、与えられた演題に対して、どのような諸本質を伝えるのか、そのための論理的なシナリオが作成できること、その場で聴衆を分析し、適切な対応ができること、関心を掴み持続させる技術、などである。
これらは、あくまでスキルであり、訓練すれば身に付くものである。しかし裏を見れば、訓練しなければ身に付かないものである。
これが、コミュニケーション学の基本になるのではないかと思う。

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