2016年7月16日土曜日

197:「二度と繰り返さない」というフレーズの意味

企業が不祥事を起こし、責任者が90°のおじぎをして、事件の終息を図る際に、多くの場合、「二度と繰り返さないことをお誓い申し上げます」というようなことを言うものである。
ここに日本人の「再発防止」に対する思考の限界を見てしまう。
多くの場合、誤りを犯したので、不祥事を二度と繰り返さないように頑張る、という単純な精神論の方向に行ってしまうのである

何が問題なのかといえば、取材記者の質問も実に甘いものなのである。
本来なら、下記のような質問の連鎖があっていいだろう。
「問題の真の原因を究明し、裏付けをとるために、どのようなことをされますか。」
「類似の問題が再発するかもしれない状況をどのように想定するのですか。」
「それらの状況の原因を取り除く対策を、どのように考えるのか。」
といった、分析的な質問がされることにより、「二度と繰り返さない」という決意がはじめて実現されるのではないか。

これら「再発し得る」状況への詰めが甘い日本的思考法の改善が望まれることである。
「二度と繰り返さない」などと言う表現は、あまり軽々しく使っていいものではないように思うのだが、いかがだろうか。

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