2014年6月11日水曜日

38:ドロナワの教訓

年齢で言うと50才以下の人々には聞きなれないことばであろう、「ドロナワの教訓」について書きたいと思います。
「ドロ」とは泥棒、「ナワ」はその泥棒をふんじばるための縄を意味し、その教訓は「泥棒が入ってから縄を綯うことは遅すぎる愚行である」というものです。


このことは、最近よく使われる、リスクを取らなければ物事は変わらないということにも関連してくるように私は思います。
リスクを取って何かまずいことが起きた際、対応が事前に計画されていれば、慌てることなく事態に当たることができるでしょう。


「ドロナワ」にならないためには、「泥棒が入る」という「まずいこと」を事前に想定すること、これが必要になってくるのです。


この「教訓」が死語になった背景は、おそらく戦後あまりにも順調に復興がなされたため、「泥棒は入らない」=「まずいことは起きない」という誤った過信が生まれてしまったためではないかと思います。
あるいは「泥棒が入った」=「まずいことが起きた」ことでの悪影響も、高度成長の中で相殺され、意識されづらくなっていたのかもしれません。


失われた20年という長いトンネルの先に薄光が見えた今日、リスクを取って前進するには、リスク(計画からのズレ・起こりうるまずいこと)は発生するものという前提で考え、それらが起きた時の影響を最小化する対策(''contingency plan'')をあらかじめ策定しておくことが肝要なのです。

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