2014年11月8日土曜日

59:政治に対する意識改革

あれだけ期待された女性経産大臣があっという間に更迭されました。
国の経営を任せている内閣と与党がこの有様ではしょうがないという声が、普段政治にあまり関心のない人々からすらも聞こえてきます。


この背景について私なりの考えを述べてみたいと思います。


まず、有権者の政治家に対する不信感が顕在化してきていること。
これは、政治家の倫理観や政治信念の欠如に原因があるでしょう。


国会議員に「あなたの政治信念はなんですか?」と質問した場合、即座に一言で答えが出せる議員はあまりないのではないでしょうか。
先生方が最も関心を持っているのは国の経営のことではなく、次の選挙でどうしたら当選できるかということでしょう。


倫理観について、例えば米国の医薬品業界ではどのように考えられているでしょうか。
処方薬はEthical drug、市販薬はover the counterと呼ばれています。


Ethical drugの意味は、「倫理観を持つ医師のみが扱いを認められている薬品」であり、over the counterは「薬局でカウンターごしに販売されるもの」として区別されます。


政治家もover the counterでは困るのです。
倫理観を持って、行動する意識を持っていただきたいものです。




次に考えたいのは、選挙で勝つことを最優先することは如何なものか、ということです。


自身の政治実績や理念・信念の実現を国政にどのようにして具現化するか、というウエイトを高く持っていただきたい。


具体的には、多くの政治家が温存している選挙区の後援会の意識が変わらなければならないと思います。
支持者同士が雑談の中で、「今年の弁当は去年のものより高級だった」という類のレベルの話をしているようでは支持する政治家は育ちませんし、政治そのものも良くならないでしょう。




3つ目に考えたいのは、マスメディアについてです。
今回の女性大臣の辞任劇について、メディアはどのような報道をしたでしょうか。


内容は、「脇が甘かった」「後援会の会計業務は人任せ」「安倍内閣にどのような影響が出てくるか」などが主で、論評のみの報道であり、「なぜこのような事態が発生したか」「再発を防止するためにはどのような手立てが必要か」といった本質を突いた議論はありませんでした。




最後に、有権者の意識が「政治ボケ」とでもいうべき、呆けた状態にあるのではないでしょうか。


「政治を良くしたい」という思いは誰にでもあるでしょう。
であれば、我々の代務者である先生方を次の選挙で選ぶ際、単に知名度の高さで判断するのでなく、「国政にどのような貢献をしたか」「どのような政治信条を持っているか」「カネに対しての感覚が麻痺していないか」といった切り口で候補者を選ぶべきだと思うのです。




有権者も後援会も政治家自身も、思い切った「意識革新」をする必要があるのではないでしょうか。


ある識者によれば、「革新」とは、単に古いものを捨ててしまう「革命」ではなく、いままであったものに新しいものを加えることで価値を高める、ということです。


このような意味で有権者・後援会・政治家たちに「革新」をしていってもらいたいと思うのです。

0 件のコメント:

コメントを投稿