2015年3月11日水曜日

88:問題と課題

組織にも、その構成員にとっても、問題を解決することはサバイバルや成長につながるでしょう。

今回は、私の考えの原点に戻って、「問題 Problem」と「課題 Issue」はどう違うのかについて考えてみたいと思います。
この2つの言葉の違いについて述べたいと思います。

これまでに多くの人がこれらの概念を定義してきましたが、私は次のように考えます。

問題とは……何らかの手を打たなければならない、発生している「状態」のこと。
例えば、「売り上げ目標に達していない」「プロジェクトの遅延」「決めるべきことが決まっていない」「計画を実施するのに懸念材料がある」など。
これらは上の「発生している状態」のことです。

私の恩師であるC. H. Kepnerは57年ほど前の著書で、「問題とは、あるべき姿と実態の間に乖離が存在する状態である」という定義を施しています。

この「問題」を解決しようとする際、発生しているこのような「状態」をそのまま解決しようとすることは合理的ではありません。
多くの場合、発生している問題は、それを分解したり、分離したりして、扱いやすい部分に加工することが大切であります。

上の例「売り上げ目標」で言えば、分析せずに解決にあたると、「営業力を付ける」とか「宣伝をする」といった抽象的なものにどうしても短絡してしまいがちです。

課題に話を移しましょう。
課題とは……処理しやすい部分に分解された諸問題を行動に結びつく表現として設定したもの。

例えば「A社の主力製品の売り上げ不振の原因究明」「B社のX事業部の最適組織の選定」「プロトタイプから量産体制への移行時に起こりうる諸問題への予防と発生時対策(contingency)」。

実際にはこのように単純に表現できない場合も多いかもしれませんが、効率の良いマネージメントを考えた場合、問題をバラバラにして優先順位を付け、課題に落とし込み、行動に移すことで問題解決の効率化につながると私は考えます。

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