2015年3月11日水曜日

89:美徳を忘れた日本人

9.11の10年後の3.11より、4年が経ちました。


この4年目の年を迎えるに当たり、いくつかのことを申し上げたいと思うのです。


まず、本日の報道によると、なお約23万人の方々が避難生活をしているとのことです。
なぜこのような状況になってしまっているのでしょうか。
その背景と原因を明確にする必要があるでしょう。
民主党下に復興大臣が選出され、政権が自民党に代わった後も全力を注いで被害に遭った現地の方々の衣食住の安定を確立してきたはずではなかったでしょうか。


にもかかわらず、これも本日の報道によれば、安倍首相が「再生への誓い」として「夏までに新支援枠組み」を策定すると述べたそうです。
論理的に言えば、被害地の復興が遅延し、2013年度までに計上された東日本大震災の復興予算約25兆1000億円のうち、約5兆円が未使用であったという実態があり、また、建設された仮設住宅の入居率が50%を切るような自治体もある、というのはおかしいのではないでしょうか?


「新支援枠組み」の策定も結構ですが、「なぜこのようなムダが起きてしまったのか?」という真の原因を厳密に分析してから取り組んでほしいと思うのです。


最後に、今回の災害に対して、百数十か国から支援やお見舞いを頂いたこと、特に安全保障条約を結ぶ米国からの支援には絶大なものがあったこと、数週間かかると言われた仙台空港の驚くべき回復を見せたのも米軍の善意と同盟国に対する責任感があったこと……このようなことに対して、個人単位では色々な行動をした方もいたでしょうが、礼節を重んじる日本人が、世界に対して明確な謝意を国のレベルで示したという報道は耳にしていません。
安倍総理にお願いしたいのは、日本政府として、国民を代表して評価される形の謝意を表明することを考えていただきたいということです。
このことは、世界社会に対する日本国の尊厳に関わると言ったらおおげさでしょうか。

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