2015年5月22日金曜日

108:旧帝国陸軍の亡霊

旧帝国陸軍の参謀会議において、次のような会話があったとしましょう。

とある参謀Aが、作戦計画の発表を行っています。
これは彼の優秀な部下が作成したもので、彼自身も非常に自信を持っています。
しかし、別の参謀Bが「作戦計画のこの部分に問題はないか?」と問うたとしましょう。
するとAはにわかに感情的になり、「私の計画にケチを付けるのか!?」と怒り始めます。
B「問題が起きたらどうするのだ」
A「総力を結集して当たる」
B「その総力が突破されたらどうするのだ」
A「その時は私が腹を切るから大丈夫だ」
…………

これはほとんど笑い話みたいなものですが、一概に馬鹿にできるものでもないでしょう。
日本の組織文化の中に、潜在的にこのような発想が残っているのではないかと危惧します。

こういう状況を改善するためには、上長が、部下からある案を提示されたときに「君、問題なくできるね?」とか「大丈夫だね?」といった質問は、安易なものでしょう。
その代わりに「この案の問題点はどこか」「それらに対して手は打ってあるのか」といった発想が有効です。
なぜなら、将来起こりうるリスクを予め想定し対策を用意しておく、という考えを示唆しているからです。

上に挙げたような古い考え方は、グローバルに通用するものでないのは自明であります。
日本人はそろそろこの「亡霊」を追い払うときではないでしょうか。

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