2015年5月6日水曜日

104:対策の目的別分類

世の中では、問題が起きると、対策を講じることを考えます。
しかし、この対策を講じる目的を意識する人はあまりいないのかもしれません。




実は、経験的に分類すると、5つになると思われます。


①暫定的な対策
これは、発生した問題の拡大を防ぐための対策です。


重要顧客から製品クレームが発生したとします。
その場合の暫定的な対策は、「とりあえず責任者が相手先に謝罪し、再発防止を約束する」ということでしょう。


②抜本的な対策
この目的は、問題発生の原因を除去することにあります。
従って、適切な原因が究明されなければ、この対策は打てない、ということです。


③適応対策
これは、''adaptive action''と言われ、原因が明確になったが、それを除去できない場合に採る対策のことです。


魚屋の売り上げが下がってきたとしましょう。
原因は、近隣にスーパーマーケットが進出したためです。
「抜本的な対策」はこのスーパーを除去することですが、それは不可能です。
そこで、「商売を替える」とか「マンションを建てる」といった別の対策を打つ、というのが「適応対策」です。


この対策の目的は「サヴァイヴする」ということになるでしょう。


④予防対策
この目的は将来起こりうる潜在的な問題の発生を未然に防止することにあります。
「未然に防止する」には、その潜在的問題の発生原因を想定しなければなりません。
その発生原因を除去するのが、この「予防対策」であります。


たとえば火災への対策であれば、「火の用心」というものがありますが、その本質は、火災の潜在的な原因(タバコの火・漏電などなど)に気を付け、これをできるだけ除去するということです。


⑤発生時対策
これは、「予防対策」を打ったが、万一問題が発生したときの影響を最小化するための「あらかじめ打っておくべき対策」のことです。


火災の例を続ければ、スプリンクラーや非常口、消化器など。また火災保険もこの例に入るでしょう。
対策の打ち方はハード面だけではない、ということです。


前半3つの対策は、問題が発生した後に採る対策です。
傾向としてこの3つを混同して考えるから混乱を起こすのだ、と述べておきたいです。
また後半2つの対策は、将来に起こりうる問題に対する対策であって、キーワードは「予め講じておく」ということでありましょう。
火事が起きた後に火災保険に入っても仕方がない、ということです。


目的を意識した対策の立て方の重要性がお分かり頂けたかと思います。







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