2015年10月17日土曜日

143:Consequenceとは――後先のことを考える

単純に辞書を引くと、Consequenceの日本語訳は「結果」とある。
さらに辞書によると、「(良くない)結果」「成り行き」「(人・事の影響などの)重要さ、重大さ」とある。


現在の我々の社会生活において、このConsequenceという考え方が、どのような影響を及ぼしているかについて考えてみたい。
私の考える本来のConsequenceの意味は、「ある行動をとった場合に起こり得る(悪い)結果」である。
このことは、意思決定を行った場合と同じで、一般に言われる「デメリット」に匹敵する。
「デメリット」をさらに明確にするならば、「起こり得る悪い現象」と言えるだろう。


このConsequenceは、西洋から入ってきたものではない。
日本の知恵の中に「後先を考えて行動しろ」という言葉があるが、これは「将来のことを考えて判断しろ」ということだ。


このように、Common Sense(良識)の範疇として使われてきた考え方が、現在の日本の社会で全くと言って良いほど活用されていないのではないか。
例えば最近起こった、マンションの基礎工事の資料を改竄した結果、建築物に傾きが生じたという報道があったが、これもこのConsequenceの考えに関わるのではないか。


つまり、現場がコンプライアンス違反をした場合に、どのようなConsequenceが起きるか、という分析を積極的にしてもらいたいということだ。
利益優先のために現場が行う違反を、現場の担当者が、どのようなことになるかを想定して上司に報告し、また、その上司が会社幹部に警鐘を鳴らすという一連のシステムができていないのではないか。
会社の中において、違反がどのようなConsequenceをもたらすかという想定がきちんとなされていないことがこういった事件を起こすのではないか。
このような想定を行うことはそう難しいことではないはずだ。


Consequenceにいついて考える、つまり、後先について考えるということを、具体的にやってもらいたいものである。

0 件のコメント:

コメントを投稿