2016年1月9日土曜日

162:日本はタイタニック号か

昨年の暮れに、小規模の忘年会を友人が開いた。
会費は5000円だったが、当人は会社経費で落とせるため、会場は非常にデラックスなもので、銀座4丁目に近い15階ほどの建物の最上階へ専用のエレベーターで昇っていった。
その内装も豪華なもので、らせん階段があり、蝶ネクタイの年輩のボーイが接客をしてくれた。
到着したのは私が最後だったのだが、仲間に、この景色を見ておもわずこう言ってしまった。


「まるでタイタニック号のようだね。やがて沈む運命にあるにもかかわらず、乗客も設計者も、この船が沈むはずないという神話を信じ込んでクルーズを満喫しているように思える。」
我が国にも豪華な店が数多くあり、高級な外国車が道を往き、富裕層は海外旅行などをエンジョイしているが、一方で貧富の格差はひろがるばかりである。
ボイラー室ではたらく火夫と同じような労働をする貧しい国民は増えていっている。
日本の現状はまさに、沈みゆく豪華客船タイタニックであるかのように思われてしまった。


「国は沈まない、破産しない」という神話を捨て、この国が持続可能な状況をどのように確立するか、真剣に考えるときが近づいているように思う。
これを真剣に考えるということは、この国がどのような国家目標を持つのか、ということを考えることに繋がる。
国政を委嘱された議員先生方が、国の存亡をかけて、命がけで考えて頂きたいと思うのだ。
政治家の第一義的な責任は、この国の航路・目的地を明確にすることではないか。

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