2016年1月20日水曜日

165:Consequenceと思考停止

ひと昔前の、笑い話にもならない、ある企業で起こった話である。


ある時期、石油会社同士が、自社タンカー建造ラッシュに入ったことがあった。
私が以前コンサルタントを担当していたある企業はこの時期、ラッシュに乗り、競合他社と同じ船舶を発注したということだ。
しかしながら、これが完成していざ自社バースに曳航しようとすると、海底が浅く、船が入らないという事態が発生する。
結果バースの大改築が必要となり、膨大な付帯的費用が投じられたのであった。


意思決定をする場合、ある選択肢がたとえ最適に見えたとしても、それをそのまま実施して問題がない場合はまず稀だろう。
従って、仮のものである選択肢に対し、それを実施した場合にどのようなConsequenceがあるかを複数想定することが必要になってくる。
それらConsequencesに対して有効な諸対策が打てるか、という考えがないと、いわゆる思考停止状態になってしまうだろう。


話が大きくなってしまうが、もし国家的事業でこのような事態が発生すれば、国民の税金の無駄遣いになることは自明である。
直近で私が聞いた話では、東京湾にかかるベイブリッジの高さ不足により、我が国が誇るクルーズ船飛鳥が、湾内に入港できない、というものもあった。


笑い話にもならないような思考停止の状態は避けたいものである。

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