2016年5月18日水曜日

182:現役米大統領の広島訪問 その1

タイトルの話題について。
4月30日の177号で簡単に触れたことではあるが、もう一度よく考えてみると、これは前代未聞と言っても過言ではない歴史的な出来事となるだろう。


伊勢志摩でのG7サミット終了後、オバマ大統領が安倍総理とともに慰霊碑を訪れ、太平洋戦争で亡くなられた両国の犠牲者に哀悼の念を表する予定である。
大いに結構な、素晴らしいことだと私は思う。


G7で出される共同声明以上に、オバマ大統領の広島訪問が重要なものだと世界は受け止めるだろう。
なぜなら、G7は毎年行われるものであるが、オバマ氏の広島訪問はこれが最初で最後であるからだ。
私が間違っているかもしれないが、海外のメディアもこの訪問をG7の成果以上に重要視し、報道するのではないか、と考えている。



レームダック化した大統領とはいえ、任期中に自国の戦争犯罪ともいうべき行為にケジメをつけるというオバマ氏の発想について、我々日本人はもっと深い思考をしてもよいのではないかと思う。
この判断は、おそらくオバマ大統領自身の信念の、熟考の末の表れだとみて良いだろう。
その背景には、就任直後2009年、プラハでの核兵器の廃絶を訴える演説の理念を、行動に移さなければならない、という意志があるのではないか。


日本において、安倍総理の祖父である岸信介は、若者をはじめとする大変な国民の反対を押し切ってまで、自身の政治信念に基づき、安保条約に調印した。
安倍総理が今回の安保法制の成立に自身の政治信念をかけていたのかはわからない。
政治を行う議員に確固たる政治信念・理念を求めることは、現在の日本では非現実的な夢物語なのだろうか。
現首相にも、直面の選挙で議員数を増やすか増やさないかという関心を超えて、祖父の信条をかけた国の将来を左右するような業績を残してもらいたいと思う。

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