2017年5月3日水曜日

253:あなたは論理的に考えていますか? その3

下記の例題も意思決定の範疇である。
つまり、最適な方法論を選ぶというchoiceの範疇である。

<問題> 製薬会社C社は、同業他社のX社とY社が統合するというかなり信頼性の高い情報を入手した。
C社は当該2社より売り上げに勝るが、C社としても、この統合は他人事ではない。
C社企画担当役員であるあなたは、部下にどの指示を下すべきか。

A. 社内外のあらゆる手段を駆使して本件に関する情報を収集するよう指示する。
B. かねてより考慮していたZ社に統合の打診の準備をする。
C. 当社が業界上位の立場を維持できるためのあらゆる方策の検討を指示する。
D. 主要株主2社およびC社のトップマネージメントの意向を支給確認するよう指示する。




<解説
この設問は、「意思決定に際しての経営課題を設定する力」を問う問題である。
Aは情報収集の目的が明確でなく、X社とY社の統合の可能性についての結論に終始し、当社の行動を示唆することにつながらない。従ってAは正解ではない。
Bは、Z社以外の他の可能な選択肢を排除することになり、短絡的な決定になりかねない。従ってBは正解ではない。
Cは白紙の状態から客観的に現在の業界上位の立場を維持するための必要条件の分析の指示であり、Z社との統合も含めてそれ以外の複数の選択肢へと展開が可能である。従ってCは成果である。
Dについては、最適な意思決定は、決して論理的な結論からのみなされるべきではなく、真に経験がある実力者の決断力を無視するべきではない。
しかしながらこれだけでは選択肢を判断するためのひとつの条件にすぎず、客観的な判断に対してのバイアスとなる。従ってDは正解ではない。

0 件のコメント:

コメントを投稿