2015年7月15日水曜日

120:新選挙権年齢の設定について

選挙権年齢が6月17日に参議院本会議で全会一致で可決されました。
この根拠についての十分な審議がなされなかったのは非常に残念なことです。
日本における過去の投票率が50%台で推移していることへの危機感があったのかもしれません。


ここで最も問題であるのは、なぜ投票率が低いかという原因の究明がほとんどされていないまま短絡的に法案が通過してしまったということです。
選挙権年齢が18歳になったからといって、投票率が向上するという保証はありません。


しばらく前に、民主党の岡田代表と蓮舫議員がある高校に招かれ、この件についてのパネルディスカッションを行うというテレビ番組を見る機会がありました。
男子生徒のひとりが、真剣なまなざしで次のような質問をしました。
「政治に参加できるという重みを新たに自覚しました。しかし、どのような基準で私たちの代表を選べば良いのでしょうか」
ところが、この質問に対し、適切な回答はなされませんでした。
岡田代表は、この単純明快な質問に対し、具体的な回答はせず、ある法案の審議についての詳細な説明をしたにすぎませんでした。
この現実を見て、私は大変な危機感を持ちました。


私は、この18歳の高校生の質問を、永田町の全議員にしたとき、どのような回答がされるのだろうと想像してしまいます。
あるいは、国会議員に「あなたの政治信条はなんですか」という質問をした場合、具体的に説得力をもって回答できる先生方が、果たしてどれくらいいるのだろうと考えてしまいます。


もし私が議員で、同じような質問をされたとすれば、次のような基本的な条件を18歳の彼に答えるのではないかと思います。
・国政を第一とし、自己犠牲を払ってでも、有権者と国のために仕事をする覚悟がある。
・あらゆる環境変化に対し、迅速に自身の意見を構築できる。
・選挙民から負託を受けた、という重大な意識を常に持ち、行動する。
・国際社会における日本の立場について、常に意識をしている。
・スキャンダラスな事態が発生した場合は即座に辞任する覚悟がある。
・社会から認められる人格の形成に努めている。
・きちんとした来歴と、確立した自身の専門分野を持つ。


これらは、必ずしも適切ではないかもしれませんが、国会議員を選ぶときに必要な発想ではないでしょうか。
新選挙権年齢の設定にあたって、こんなことを考えてしまいました。







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