2015年7月18日土曜日

121:日本人の質問力

よく言われる笑い話に、国際会議の名議長の資格は、インド訛りの英語でベラベラとしゃべるインド人の発言を封じ、いかに日本人からの発言や質問を引き出すか……というものがあります。

日本人の英語会話力が、先進国の中で最も低いレベルにある理由については後に述べるとして、この件についてひとつ申し上げたいことは、英会話力の主要な部分は相手をしてしゃべらせる、ということです。
これは、状況にあった適切な質問ができるかということに関連してきます。


相手の話が理解できない場合は、「もう少しゆっくり話してくれ」「この単語の意味がわからない」「もっと単純な言葉で説明してくれ」「分からないので、言い直してくれ」などなどの質問をすることです。
また、それでもわからないのであれば筆談をすれば良いのです。


話がやや逸れたかもしれませんが、日本の社会は「非・質問社会」であるという特異性を認識する必要があるでしょう。
以前書いたことに重なりますが、日本ではどうしても「質問すること」が「責めること」と同じように考えられているきらいがあります。


ここで、質問の目的を考えると整理ができるでしょう。
乱暴かもしれませんが、質問の目的を3つに分けて考えてみます。
第一は、「誰が責任者なのか」「どうしてこんなことをしたんだ」などの「責任を問うこと」。
第二が重要で、それは「判断業務に関する情報を収集すること」。
これにはいくつかの下位区分が考えられるでしょう。「なぜそんなことが起きたのか(原因究明)」「なぜそれを選ぶのか(意思決定)」「なぜそんなことが起きるのか(リスク)」「なぜそこから手をつけるのか(優先順位)」といったものです。
第三は「社交上の人間関係を円滑にすること」。
「ご趣味は何ですか」「最近関心を持っていることはなんですか」などの質問がこれに当たるでしょう。
この際、政治・宗教の話は避けるべきだとされています。
私個人としては、これらの話も多いにすべきと考えますが、それでも、口論にならないよう気を付けることは大事でしょう。




上記の第一と第二の分類を意識することにより、質問力の向上につながるでしょう。
そして、情報収集のための質問には、経験と論理的な思考形態が不可欠と言えるでしょう。

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