2016年8月13日土曜日

204:これでいいのか日本の教育

教育改革が叫ばれて久しい。
ゆとり教育で成果を出せず、ここにきて小学校から英語教育に力を入れると言われている。
日本の教育の本質的な問題に言及することなく、流行に追われるようにさまざまな試みをするのではたまったものではない。
被害者はなによりもまず児童であり、またさらには教師、父兄、ひいては日本社会全体がその被害者だともいえるだろう。

ところで、米国に居住する友人のひとり息子が、このたびLaw School受験のための準備をしている。
彼はプリンストン大学を卒業後、日本で就職をしたが、今回あらためて大学院に入るための準備をしているそうで、9月25日に日本で筆記試験を受けるという。
びっくりしたことに、米国の名門Law School(ハーバード大、イェール大、シカゴ大、ボストン大、ニューヨーク大など)の受験は、すべて日本で受けられるのだそうだ。

その彼から受験の際の試験科目を聞いて、私は腰を抜かしてしまった。
なぜなら、科目には、知識にかんする試験科目が皆無だったからである。
試験科目は4つあり、Logical Reasoning、Analytical Reasoning、Reading Comprehension、Writing、というものだった。
くどいようだが、ここには知識を重視する姿勢はまったくみられない。


さて、試験科目のことばのうち、我々日本人が理解しにくい言葉が、Logical, Analytical, Reasoningである。
「論理的」「分析的」はなんとなく理解できるかもしれないが、Reasoningをどのように解釈したらよいか戸惑うだろう。
英和辞典によると「推理、推論」「論法、議論の筋道」とあるが、この定義では不十分と思う。

やや独善的に私なりにReasonを解釈するならば、「ある結論に対して、筋の通る、堂々巡りのない、根拠づけ」となる。
前述の例をみるまでもなく、日本の教育は依然として知識偏重であり、この状況を克服するための努力はなされているにもかかわらず、これといった対策が見いだせないようである。
米国のLaw Shoolの入学試験科目がこれからの教育における不可欠な項目を示唆しているように思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿