2014年5月14日水曜日

28:平和主義は世界遺産

ある自民党の実力者のインタビュー記事が、なんと共産党機関紙である「赤旗」に掲載されたことがありました(2013年6月13日)。
当時はマスメディアでは富士山と世界遺産に関する論議がなされていた時期でありました。


富士山のことばかり報道するメディアが、今回お話したいことを取り上げなかったのはある種ミステリーだった思うのですが、以下の驚くべき発言をした人物は、古賀誠元自民党幹事長でありました。


さて、古賀元幹事長は「9条は平和憲法の根幹です。''浮世離れしている''と見られるかもしれないが、その精神が一番ありがたいところで、だから『世界遺産』と言っているのです。(中略)自衛隊は9条2項を1行変えて認めればいい、というのが私の考えです。ここは国民的議論をすればいい。」と述べています。


古賀元幹事長は、どちらかといえば自民党ハト派とは見られていなかった人物だと思います。このようなタカ派的な印象を与えていた人の発言であるだけに、これが大新聞で取り上げられていたら、大きなニュースになっていたのではないかと思うのです。


(この辺に国民に正しい情報や事実を公平・公正に提供するメディアの現在のあり方も見直してもらいたいと思います。)


当時、私はこの記事を読んで自民党そのものの質の転換を感じました。このように、いわゆるハト派的な発想のできる代議士が増えれば、世界中が心配している日本の右傾化が国民一般の意思ではないということが理解してもらえるのではないでしょうか。


日本人の誰一人として、侵略や領土の拡張を望んでいる者はいないと我々は思っています。しかし外国はそう見てはいませんし、私はそれが心配なのです。


自民党の実力者の中には日本人が大切にしてきた9条を重く考えている重鎮もかなりいることを皆さんはご存じでしょう。
日本人の8割が戦争を知らない時代になっている今日、世界に影響力を持つ日本がこのような平和志向の国民である、ということを知ってもらいたいのです。


また、古賀元幹事長も触れていた自衛隊に関して述べれば、現在自衛隊という名称はあるものの、実質は軍隊であるから軍隊と呼ぶべきだ、という議論があります。
しかし、警察予備隊から数えれば過去60数年に渡って平和日本を支えてきた自衛隊を西洋的なmilitary(軍隊)に呼び換えてしまうことは、いかにも惜しいと思います。
自衛隊のみなさんは実質的には軍隊であるという意識をお持ちでしょうが、世界の中で「自衛隊」という新しい概念を用いているのは日本だけである、という事実を認識し、誇りにしたいものです。

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