2016年10月12日水曜日

218:忘れてはならない戦後史

戦後70年を経た今日、広島・長崎や沖縄での悲惨な出来事、あるいは大都市への無差別爆撃などの経験が語り継がれている。
しかしもう一方の語り継がれるべき過去の出来事として、日本の戦後の復興に、当時どのようなことがあったのか、ということがある。



「奇跡的」と言われる日本の復興の背景にあった事実として、米国が第二次世界大戦後の日本人の社会生活の困難を救うために支出した「ガリオア基金(占領地域救済政府基金)」「エロア基金(占領地域経済復興基金)」がある。
外務省の資料によると、1946年から51年にかけて約6年間にわたり、約16億ドルの膨大な援助があった。
これは現在の価値に換算すれば、12兆円となるほどの莫大な金額である。
援助を受けた日本は1951年9月8日にサンフランシスコ平和条約に調印し、国際社会での主権を回復した。

この基金の顛末は、のちに日米両国の協議の結果、日本が援助金のうち、4億9000万ドルを15年間で米国に対し返還することになり、その使途は途上国援助や日米の文化交流のために使われた。
日本が国際社会の助けのなかで、どのように復興を成し遂げたのか。
憲法改定論がこれから本格化するなかで、戦後日本の忘れられつつある歴史をもう一度認識し、将来の日本の目指すべき未来像を考えなければならない。

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