2015年4月1日水曜日

94:国会軽視

先日、たまたま2日連続して、午前の参議院予算委員会の模様をテレビで見る、またラジオで聞く機会がありました。
以前にも、国民と国会・政治の距離がありすぎるということを書きましたが、その理由のひとつが、この参議院予算委員会を視聴してわかったように思います。

「国会審議がなぜ面白くないか」ということに関する国民としての感想のひとつは、「噛みあった議論がなされていない」ことにあるのではないでしょうか。
噛みあう議論とは、論点の本質が明確で、結論を出すための工程を意識しつつ、重点的に論旨を進めていくということです。
また、質問に立つ側が自己主張と質問の区別が明確でなく、「総理はどのように考えるか」といった抽象的な質問しかしていないことも問題でしょう。
我が国の委員運営の特徴でもあり、国民性の表れでもある「事前に開示された質問に対し、おそらく関連官庁が事前に回答を作成し、それをただ読み上げる」という方策も説得性がないでしょうし、興味の湧くものではありません。

また、国民が持つ疑問のひとつは、閣僚のスキャンダルに関する追求が予算会議で行われることでしょう。
そして当然、その内容は国の経営に関することとは全く関係のないものです。
「政治とカネ」に関わる問題は我が国に固有のものではないでしょう。
日本国民は、政治のスキャンダルに対して寛容すぎるという思いを持つ人は多いのではないでしょうか。
他の先進国であれば、当該議員はそのことが真実であり、良心に恥ずる行為であれば、即座に辞任することでしょう。
(しかしそんなことをしてしまえば日本には国会議員が4、5人しかいなくなってしまうのかもしれませんが……)

なぜ議員倫理委員会といったものを設置して、そこで集中的に審議をする、という方法を誰も考えないのだろう……とつくづく思います。
冒頭の参議院予算委員会の話に戻りますが、国民が真剣に聞いていると突然「これで国会中継を終わります」というアナウンスが流れ、その後天気予報や、別番組の予告などというどうでも良いものに切り替わりました。
これは、NHKの国会中継に対する基本的な姿勢を表しているのではないかと思います。

これは何とかならないものでしょうか。
理想的には、予算委員会が終了するまで放送を継続する、ということでしょうが、それが非現実的であれば、NHKの持つBS放送など別のチャンネルを使って、時間は夜でもいいので国民に対して放送する義務を果たしたらどうか……と思うのです。

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